未来化学創造センター紹介

 
未来化学創造センターは、九州大学総長のリーダーシップの下で重点的に推進する新たな戦略的研究教育拠点の一つとして、また21世紀COEプログラム「分子情報科学の機能イノベーション」の成果を産業に結びつけるための基盤研究と技術開発を集中的に推進することを目的として、平成17年4月に発足しました。「環境調和型の未来科学技術」や「循環型の未来産業」を創出するには、旧来型の化学技術の改良ではなく、生体系を範とする環境に負荷をかけない循環型の化学技術の創成が不可欠です。このために、本センターは、ナノテクノロジーやバイオテクノロジーをキーワードとする基礎研究の推進と、得られた新物質・新技術をいち早く実用化・産業化へと結びつけるためのトランスレーショナル研究を重点的に推進してきました。さらに、東アジアや九州の様々な研究組織等との連携により、産学連携の推進、新産業の創出、そのための人材育成など社会貢献を積極的に進める研究センターとして認知されています。平成20年度からは、本センターの「教育」、「研究」、「産学連携」の3要素の中の「産学連携」部分を、伊都キャンパス隣接地に建設された福岡市産学連携交流センターに移し、その活動をさらに積極的に推進しています。また、「教育」部分について、平成25〜30年度に実施された文部科学省リーディング大学院博士課程教育プログラムの推進と成功に大きく寄与しました。このような確かな実績の下、本センターを「融合」と「連携」による持続的な未来化学創成研究拠点としてさらに発展させるために、令和2年度より部門構成を再編し、学内外・国内外異分野研究者との連携を促進すると共に、基礎研究成果を社会実装へと繋ぐ機能の更なる強化を図ります。社会要請の高い新たな課題を設定し、関連する世界トップレベルの研究者との連携を通した研究開発を実施することで、次世代の新しい化学技術を新規産業・スタートアップ起業へと結びつける機能を有する稀有なセンターとして、今後も力強く、そしてしなやかに、より一層の努力を重ねて参ります。ひき続き、皆様の温かいご支援を賜りますようお願い申し上げます。

センター長 神谷 典穂