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小江教授の研究成果が「JST news」に掲載

−JST news 2014年9月号−



 小江教授の研究成果が、「JST news(2014年9月号)」の特集記事として5ページに渡って紹介されました。表題は「天然酵素をまねて人工酵素を開発:自然界の力で優れた燃料電池の実用化を目指す」です。

平成26年8月1日に、九州大学小分子エネルギーセンター(センター長、小江教授)が、九州大学総長のリーダーシップの下で重点的に推進する新たな戦略的研究拠点の1つとして発足しました。本センターでは、「小分子(H2、O2、H2O、N2、CO2)の活性化によるエネルギー変換サイクルの創成」を目的として研究を推進します。

2014年7月15日から18日にアメリカ・シカゴで開催された"Small Molecule Activation"において、小江誠司教授が全体講演「INSPIRED BY NATURE — NEW ENERGY SOURCES FROM HYDROGENASE MODEL COMPLEXES」を行いました。

小江教授の論文「H2 and O2 Activation — A Remarkable Insight into Hydrogenase」が、Wiley-VCHが出版する「The Chemical Record」誌(Personal Account)に掲載されました(2014, 14, 397–409)。


燃料電池の白金電極を超える水素酵素「S–77」電極の開発に成功

(白金の637倍の活性)



  九州大学カーボンニュートラル・エネルギー国際研究所(I2CNER)/大学院工学研究院の小江誠司教授らの研究グループは、名古屋大学の研究グループとの共同研究により、燃料電池のアノードとして一般に使用されている白金触媒の能力をはるかに超える水素酵素(ヒドロゲナーゼ)S–77電極の開発に成功しました。ヒドロゲナーゼは鉄とニッケルを活性中心として持つ金属酵素で、白金と同様に水素から電子を取り出し、白金に優る能力を持つと期待されていました。しかし、酸素に対する不安定さにより燃料電池への応用にはこれまで成功していませんでした。研究グループは、酸素に安定なヒドロゲナーゼS–77を阿蘇山で発見し、燃料電池のアノード触媒として驚異の性能を示すことを明らかにしました。

 


 研究成果は、ドイツ学術雑誌『Angewandte Chemie International Edition』オンライン版で平成26年6月4日(水)に公開されました。

 


 本研究は、文部科学省科学研究費補助金・特別推進研究「ヒドロゲナーゼと光合成の融合によるエネルギー変換サイクルの創成」、科学技術振興機構(JST)の戦略的創造研究推進事業チーム型研究(CREST)「ナノ界面技術の基盤構築」、および文部科学省科学研究費補助金・新学術領域研究(感応性化学種が拓く新物質科学)の研究の一環として、九州大学の小江誠司教授の研究グループが九州大学伊都キャンパスおよび福岡市産学連携交流センターで行ったものです。

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